2014年11月12日

セルフリフォーム 水回り編1 太陽熱温水器

水回りは完成までかなり時間がかかっていて内容も盛りだくさんなので、何回かに分けて書くことにする。今回は太陽熱温水器の設置について割と真面目に紹介しよう。

●太陽熱温水器の仕組みと太陽光発電の違い

始めに太陽熱温水器について、太陽光発電と勘違いしている人も多いのでその説明から。

太陽熱温水機は、太陽の熱をパネルや管で受け止めて、水の入ったタンクに熱を貯めて、そのタンクから配管を引っ張って給湯や暖房などに使うというごくごくシンプルなものだ。

太陽光発電は太陽のエネルギーを一度電気に変換するのでエネルギーロスが生じるが、太陽熱温水は太陽の熱をそのまま熱として貯めるのでロスが少ない。発電の場合は一番性能の高いものでも当たった太陽のエネルギーのせいぜい20%しか電気として取りだせないが、太陽熱であれば40%〜60%と言われている。

エネルギー=電気と考えがちだけれど実際に僕らが生活の中で使うエネルギーは半分が熱エネルギーなので、太陽エネルギーをいちいち電気に変換し、それをストーブやIHで再度熱に変換するのは、日本円をドルに換金してもう一回日本円に戻すようなものすごく効率が悪いことをしている。

なお、「熱は熱で、太陽熱で〜♪」という強烈なCM(音出ます)がある。これ、東京都公式なんだよなぁ。

●忘れられた自然エネルギー

太陽熱温水は20年ほど前に結構広まりあちこちの家庭で使われていた。屋根の上で 銀色に箱が輝く姿が記憶に残っている人も多いんじゃないかと思う。しかしある会社の強引な訪問営業手法が問題となり太陽熱そのものの評判が落ちたことと、その後太陽光発電のほうが脚光を浴びたこともあってあまり見向きされなくなってしまった。

しかし初期費用が安く仕組みが単純なので長持ちし、しかも変換効率が良いときており、再生可能エネルギーの中では最もコストパフォーマンスが高い。補助金やFITのような仕組みがなくても充分に元が取れる素晴らしいシステムだ。電源不要で水道圧だけで使えるため災害時にも強く、実は東日本大震災の時もあちこちの避難所で活躍したこともあり、最近になって再び注目を浴びだしている。

●太陽熱温水器の種類

集熱の仕組みには昔からあるパネル式と、最近出回るようになった真空管ヒートパイプと呼ばれるの2種類がある。真空管式の方が設備の値段はやや高いが、集熱効率が良く、冬場でもそれなりに水温を上げることができるので長期的にはお勧めだ。真空管式は現在国内で製造しておらず、中国製のものを購入することになる。田中優さんの話では、昔はブラウン管の製造工場が平行して生産していたけれど、ブラウン管自体の需要が無くなり国内の製造工場が無くなったそうだ。

またお湯の送り方としては、よく屋根に載っているタンクと蛇口の高低差で水圧をかける方式と、水道管を直結してその圧で送り出す平置き可能な方式がある。いずれも高低差の圧か水道圧で送り出すので、電気は使わない(ただし水圧が足りない場合は加圧ポンプを挟むこともある)。屋根乗せ式はスペースを有効利用できるものの水圧が弱かったり屋根に200〜300kgの重さがかかるといったデメリットがある。うちの場合は庭に置ける場所があるし、設置もしやすいので今回は水道直結式を選択した。

なお、自身でタンクを持たない、つまりパネルかヒートパイプ部分のみのソーラーコレクターと呼ばれるものもある。お湯をポンプで循環して別の場所に置かれた貯湯タンクに熱を貯める仕組みになっており、エコキュートとのハイブリッドの仕組みも販売されている。

いま既に灯油やガスボイラーを使っている人も、太陽熱温水器を既存ボイラーの入水管の前に組み込むことは可能だ。こうすると晴れた日は既に太陽熱でお湯になったものがボイラーに入るためボイラーは作動せず、その分ガスや灯油を節約できる(ただし熱湯がボイラーに入ると故障の原因になるので、太陽熱温水器とボイラーの間にミキシングバルブやスカイブレンダ―といった温度調整装置を取り付ける)。うちは脱灯油を掲げているのでボイラー自体無いけれど、そこまでストイックじゃない一般家庭では今の設備も活かせるこのハイブリッド方式がおすすめだ。

●実際に設置

真空管式の太陽熱温水器はネットで検索すると何社か出てくるが、比較的値段が安いのと、銀ピカの外見に惹かれてMMCソーラーから購入した。脱灯油のためにタンク容量は一番大きい200Lのものをセレクト。ポリ管等も含めて約20万円也。

注文が増えているのか発注から納品まで1か月ほどかかったが、他の作業がひと段落したところだったのでちょうど良いタイミングだった。物は結構かさ張り、タンクが特に重い。大人二人で何とか運んだ。

まずはマニュアルに沿って架台を組み立てる。二人で半日もあれば十分だ。

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次に設置場所だが、これは結構悩んだ。架台を仮置きしてみたり冬場の太陽の角度を計算したり、日が良く当たり、かつ配管が長すぎず、景観も悪くしない場所はどうするか・・・最終的には家の東側の庭に設置した。夕方からは家の陰に隠れてしまうが、日中は日がよく当たるのでたぶん大丈夫なはず。

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場所が決まったら架台を設置し、タンクを乗せる。あとはパイプを差し込む流れだけど、この時点でタンクに水を入れないと空焚きしてしまうことが分かり、まだ給水が手つかずだったこの段階では一回作業をストップ。配管が終わった2週間ほど後に作業を再開することとなった。配管工事は別記事に回すので、お料理番組よろしくそれが終わったところから話しを続ける。

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一本一本真空管のパイプをタンクに慎重に差し込んで固定していく。単純作業なのでこれも半日あれば十分だ。パイプが全て入ったら入水と出水の配管をつなぎ、水を通す。これでめでたく完成!

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サービス品で温度計もついてきたので、タンク内に差し込み、お風呂の手前までコードを伸ばして壁に取り付けた。

●実力のほどは!?

9月の天気が良い日だと、1日で25度から80度くらいまで上がった。薄曇りや半日だけ晴れでも60度くらいまでは上がり、11月現在でも1日晴れていれば60度くらいまでは上がる。さすがに曇りや雨の日はダメだ。

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タンクは結構保温性が良く、一日経っても5〜10度くらいしか下がらない。一度、前の日の熱がタンクに残っていて40度くらいある状態で翌日カンカン照りなったら温度が90度を超え、喜んでいたら温度が上がりすぎで安全弁からお湯が捨てられてがっくりきたこともある。

●コストパフォーマンスは?

200Lの水を1日平均40度温度上昇させるとすると、そのエネルギーは200×40=8000kcalとなる。これは大体灯油1L弱の熱量、100円程度のエネルギーを賄ったことになる。晴れた日には自動的に100円玉がチャリンと入る20万円の貯金箱を買ったと思えばいい。雨の日を除いても年間2万5千円程度光熱費を削減できるので8年あれば元が取れる計算だ。実際は灯油がさらに値上がりをするので、元が取れるのはもっと早いし、LPGボイラーの家庭なら削減効果はこれ以上だ。

●まとめー太陽熱は気持ちいい!

地球温暖化や原発問題については多くの人が気になりながらも便利な生活を手放したくないから見て見ぬふりをしがちだ。そんな中で、設置場所さえあれば誰でも導入できる太陽熱温水器は気軽でかつ確実なエネルギーシフトの手段といえる。100%太陽の熱で沸かしたお風呂は、なんだかありがたくて心も体も気持ちいいものだ。

posted by こだち at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | DIY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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